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8/21 岡田 将先生の審査総評

第3日目

参加者のみなさまの熱演と御父兄のみなさまの温かい応援で会場が熱気に包まれ、大盛況のうちに本選会最終日を終えることができました。日々ご指導くださっている先生方、スタッフの方々と関係者の方々を含め多くの方々に改めて心より厚く御礼を申し上げます。


本日も素晴らしい数々の名演に触れることができ、驚きっぱなしの1日でした。

 

午前中は、小学校A1の部と幼児部門。
連日、同じようなことを書くようで申し訳ないのですが、素晴らしいという言葉でしか表現できないのがもどかしく感じます。しかし実際そうなのですから仕方がありません。もう素晴らしいを通り越して、おかしい(良い意味で)という表現まで審査員室では飛び交っておりました。
楽曲の題名から連想される表現のみならず、すごく短い曲においても、構成や音色、そしてバランス、といったものが本当によく考えられている演奏がほとんどで、それがごく当たり前のような自然体としてホールに解き放たれるのですから、すごいとしか言いようがありません。
演奏を聴いているこちら側は、その音楽の世界に入り込み何か体験したような気分とでもいうのでしょうか?とても不思議な体験です。
満点をつけてもまだ点数が足りない⁈という事態が起きてました。

 

お昼からの連弾部門も、本当にすごかった!
2人で音楽作りをする上で、2人のアプローチの違いや音色の違いなどを楽しむことができるのが連弾の大きな魅力の一つだと思います。
しかし今回は、強弱や呼吸感のみならず、音楽の素晴らしさを感じる気持ちまでもが一体化しており至福の時間を堪能しました。
あの一体感と立体感と臨場感は、衝撃的でした!ペダリングの技術力の高さにも脱帽です!

 

続いて小学校Cの部門

この部門では、プログラムが本当に多彩で聴いていて本当に楽しかったです。曲の難易度がすごく高い選曲をされている方も多くみられました。演奏時間が長くなり、曲の規模も大きくなると、一曲の中にさまざまな要素が盛り込まれるようになり、演奏者はよりバラエティーに富んだ表現力が必要となってきます。その中でもとても難しいのが歌手のようにピアノで歌うこと。これはピアニストにとって永遠の憧れでもあり生涯の課題なのではないかなと私は思います。特にショパンなどにそういった歌う箇所がたくさん出てきますよね。
器楽と声楽ではそれぞれの特性が違いますから各々の表現方法も変わってくるでしょう。
例えば、音が高いところへ向かっていく過程でクレッシェンドをする時、大きく膨らますというよりも、より高いところへテンションを持っていくというイメージを私は持っています。逆に低いところへ戻ってくる時は、上がっていったものが重力を感じながら地上へ帰ってくるイメージです。物理的な音量に置き換えてみますと、全くもって逆のことが起こるかもしれませんね。
なかなか歌のように上手く歌えないな、と思った時にぜひ試してみてください。何か表現につながるヒントになれば嬉しいです。


今年も充実した実り多い3日間でした。
素敵な演奏に出会えましたことに心より感謝申し上げます。
また、みなさんの極上の演奏が聴けることを楽しみにしています!

 

本日は誠におめでとうございました。

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