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8/19岡田 将先生の審査総評

第3日目

参加者の熱演をお互いに讃えあう姿、それから御父兄のみなさまの応援で会場が熱気に包まれ、大盛況のうちに本選会最終日を終えることができました。日々ご指導くださっている先生方、スタッフの方々と関係者の方々を含め多くの方々に改めて心より厚く御礼を申し上げます。

午前中は、小学校A1の部に始まりました。
小さな身体から溢れ出る豊かな音楽は、独自の世界観を持ち、無限の可能性が散りばめられた小宇宙のようでした。完成度が高いというよりも、ひたすら没頭していたように感じました。まだまだ舞台経験が少ないことから、途中でつまづいてしまって演奏が途切れることもありましたが、集中力は途切れずあたかも何事もなかったように弾き続けていました。ほんとにすごいとしか言いようがありません。演奏が終わるとにこりと嬉しそうな笑顔が印象的でした。

 

続いて幼児の部。
こちらの部門でも数々の素晴らしい才能に出会えました。舞台経験どころか産まれてまだまだ間もない、4〜5年しか経っていないのに、こんなに素敵な表現ができるなんて驚異的ですね。
御父兄の方々とご指導される先生方にも脱帽いたします!
お昼を挟んで午後は小学校Cの部。
ホールの空気がピリリとした緊張感に包まれたように感じたのは私だけでしょうか。
演奏者の気迫も感じられ、選曲された曲目も一段と難易度が高いように思いました。中には大人にとっても難易度が高いと言われる曲を、驚くべき演奏技術をもって披露してくれた方も少なくありませんでした。しかしながら、曲の明確なイメージを持って、音でその世界観を表現できている演奏は多くなかったように思います。
楽譜から読み取った音、あるいはフレーズを自分のイメージと一致させていくことはとても大事な作業です。これが出来るようになるとより一層自分の言葉で音楽を表現できるようになりますよ! ぜひ試してみてください!

 

最後に連弾の部。
誰かと楽しい時間を共有しながら、音楽を紡いでいく。ピアニストは1人で演奏することが多いので、奏でる喜びがより一層大きく感じられるジャンルではないでしょうか?
そんな嬉しそうな姿がとても微笑ましく思え、深く印象に残りました。また自分とは違った音楽を受け入れながら一つの音楽を作っていくという楽しさもあります。ディアベリを演奏してくださったグループは、2人とも音色やアプローチが全く違うのに、キャッチボールを見事にこなして一際面白いサウンドを聴かせてくれました。これぞアンサンブルの醍醐味ではないかと思います。

 

今年も3日間たくさんの素晴らしい演奏を聴くことができて幸せいっぱいです!また一段と成長した皆さんの演奏を心待ちにしています。

本日は誠におめでとうございました。

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