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8/18岡田 将先生の審査総評

第2日目

参加者の熱演と御父兄のみなさまの温かい眼差しと熱のこもった拍手に包まれ、大盛況のうちに2日目の本選会を終えることができました。日々ご指導くださっている先生方、スタッフの方々と関係者の方々を含め多くの方々に改めて心より厚く御礼を申し上げます。


午前中は、小学校A2の部より始まりました。
目の覚めるような、煌びやかで完成度の高い数々の眩しい演奏を堪能しました。出来ることなら皆さん全員にグランプリを差し上げたいほどの出来栄えでした。そんな粒揃いの演奏の中から一際光る演奏が、いくつかありました。背伸びをしすぎず自分のレベルに合った選曲をし、かつ細部に至るまでピカピカに磨き上げられていた、ということが一つの要因として考えられるのではないかと思います。それは自分と曲の間に信頼感が増え、説得力と余裕が生まれ、演奏することを大いに楽しむことができます。そういった迷いのない演奏は、聴き手の心にストレートに訴えてかけくるのだと思います。
何がともあれ、今日の舞台で満足のいく演奏が出来なかった人も、何事も恐れないチャレンジ精神を持っていたことは確かです。その精神を持ち続けていれば、必ず成功する時が来ると確信しています!

 

続いて小学校B1の部。古典派のソナチネより一曲演奏するという課題。音が少ない上に形式もシンプル。和声感や、リズム感、フレージング、そして音を使って物語を両手で紡いでいく。まさに音楽をやる人にとって基礎的なことを丸裸にされるような、そんな恐ろしい課題です。言い方を変えれば、音楽のイロハを学ぶ、というのが相応しいと思います。みなさん、丁寧に譜読みをされ、注意深く演奏されていた様子を見ることができ微笑ましく思えました。きっと皆さん肌で感じて、心に刻まれたのではないかと思います。

 

最後に中学校の部。
若さあふれる演奏は、演奏スタイルや完成度など、大きなばらつきがあり、受賞から漏れてしまったけれども素晴らしい演奏があり、聴いていてとても新鮮でした。年齢的にも、迷いや怖さのようなものがちょうど芽生えてくる時期ではないでしょうか?また、ピアノを弾くということにおいても、慣れみたいなことも出てくる時期だと思います。それらは決して悪いことではなく、今しかできない貴重な体験であり、素晴らしいことだと思います。
音楽をする上で最も大事なことは、心を響かせること。技術や形はそれを支えるものです。
ぜひ、楽譜に託されたメッセージに心を震わせてみてください!

また皆さんの演奏が聴ける日を楽しみにしています。


本日は誠におめでとうございました。

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