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8/20岡田 将先生の審査総評

第2日目

参加者のみなさまの熱演と御父兄の方々の温かい眼差し、そして熱のこもった拍手に包まれ、大盛況のうちに2日目の本選会を終えることができました。日々ご指導くださっている先生方、スタッフの方々と関係者の方々を含め多くの方々に改めて心より厚く御礼を申し上げます。

 

本日も昨日に引き続き、沢山の才能豊かな演奏に出会えた充実の1日でした。
 

午前中の小学校A2部門では、バラエティあふれるプログラムが各々の思い描く音の絵となり会場いっぱいに響き渡りました。
曲の難易度や身体のバラつきに関わらず、全ての方の演奏がまるで宝石であるかのように輝いていました。題名のついていない作品、バッハや古典派の作品においてもくっきりとその世界観が描かれていたのにも驚きました。
思いっきり煌びやかで楽しいハイドン、水の飛沫の一粒一粒が光り輝く様子がスローモーションで見ているようなギロックの雨のふんすい、何かに追いかけられてドキドキ、ハラハラな気持ちになる臨場感あふれるモシュコフスキーのタランテラ、悲しみや哀愁がこの上なく美しく表現されていたグリンカのひばり、、、、それぞれが最高の瞬間として心の奥深くに刻まれました。

 

午後からは、小学校B1と中学校の部でした。
中学校の部においては、曲の難易度もぐんと高くなり、演奏時間も7分と長めということもあり一曲を組み立てるのに苦戦している様子も見受けられました。
特に気になったことの一つが、曲が盛り上がって響きが大きくなる時の大きな音のアプローチ。
普通の音量や弱音での表現力は多彩だけれども、大きくなるとそれまでの音楽の流れから考えると、どこか違和感を感じてしまうことが少なくありませんでした。
楽譜の中に書かれている全てのものは作曲家からのメッセージです。作曲家が意思を伝える一つの手段としてさまざまな記号などが用いられます。その手段にはやはり制限があります。強弱記号もその一つですが、どのくらい大きくなるのか?というところまでは記すことができませんので、演奏者が音楽の流れを読んで意図を汲まなければなりません。そこが音楽を組み立てる難しさであり面白さでもあるところです。
例えば、フォルテ1つやピアノ1つの表記は結構曖昧な指示だと私は捉えています。言い換えれば、それは単に音量を大きく、小さくではない何か別のアプローチ、たとえば気持ちの大きさや思いの強さ、あるいは空間的な広さ、明るさや暗さなどといったさまざまな解釈が求められるものではないかと思います。そして一曲の中に複数回フォルテが記されてありますが、そのセクションにおいての前後の流れによってそのアプローチもさまざまです。今後参考にしていただけると良いなと思います。

 

またみなさまの成長した演奏を楽しみにしております。


本日は誠におめでとうございました。

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