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8/17岡田 将先生の審査総評

第1日目

多くの参加者と御父兄のみなさま、日々ご指導されている先生方、それから関係者の方々の多大なるご協力によってコンクールを無事に開催できましたことを祝福し、心より感謝とお喜びを申し上げます。

 

午前中は、小学校B2の部から始まりました。
皆それぞれの思いを音に託して丁寧に音楽を紡いでいる、といった印象を受けました。楽譜を丁寧に読み取り、アーティキュレーションや呼吸、フレージングなどがピカピカに磨かれていて、ベストを尽くした渾身の演奏だったと思います。曲の盛り上がりにつれて音量が大きくなっても、汚い音を出す演奏はありませんでしたが、小さな音量で演奏する際、響きが足らず少し物足りなく感じることもありました。いつもと違った広い空間での演奏、ホールの隅まで届くよう音を鳴らす、そして客席から返ってくる音を聴くように意識するだけでも変わるかもしれませんね。
続いて大学生の部。
こちらは、プログラムも演奏も個性豊かなものが多かったように思います。自分にしかできない演奏に挑戦しようとする姿に感銘を受けました。
午後は、高校生の部から始まりました。
本日の審査で1番のボリュームを占める部門でしたが、なぜこれだけの人数が本選に残ったのか、いささか疑問を持たざるを得ないものとなりました。準備不足や、基本的な譜読み間違いなどが目立ったのには驚きでした。
そんな中、ごく一握りの素晴らしい演奏にも出会えたのは大きな喜びでした。本日のグランプリを受賞したこの部門からの2名の演奏に心より賞賛を送りたいと思います。

 

ピアノを演奏することは、本当に難しいことなんだと思いました。才能ももちろん持ち合わせてなければいけませんが、まず楽器を操る技術の習得、丁寧な譜読み、音楽作り、日々の練習などなど。自分の思い通りに楽器を奏でることができるようになるには、強い忍耐力と向上心、そして音楽に対する敬意と感謝の気持ちが必要不可欠です。すごく時間がかかる作業ですが、完成まで諦めずに頑張って欲しいものです。努力は必ず報われますから!
最後に、シニア部門ですが、シニアB部門のデュセックの演奏に大きく心を揺さぶられました。相当な御高齢の方だと思いますが、驚くべきリズム感の良さと、みずみずしい音楽に心を鷲掴みにされました。理屈を抜きにして、純粋に音楽のあるべき姿を見たような気がしました。

本日は誠におめでとうございました。

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