第1日目
春の柔らかな陽射しというよりは少々暑いとさえ感じる陽気に包まれる中、参加者と御父兄のみなさま、日々ご指導されている先生方、それから関係者の方々の多大なるご協力によってコンクールを無事に開催できましたことを祝福し、心より感謝とお喜びを申し上げます。
本日は中学生部門と高校生部門、そして小学校1・2年生部門の審査が行われました。
全部門を通して感じたことは、皆さんがより高い完成度を目指して日々努力された跡がしっかりと今日の演奏に反映されていたことです。演奏レベルがとても高いことは言うまでもありませんが、自分自身にとって最高の演奏をしていたことが何より素晴らしいことだと思いました。客席から見ていると、自身の思い描く理想の音楽に悦びに満ち溢れた姿がとても眩しく、お友達やご家族の皆さま、会場にいるすべての方々が盛大な拍手を持って讃えている様子に、私も胸が熱くなりました。
以前よりも楽譜から音楽を読み解く力や、洞察力により説得力のある演奏が増えたように思いますが、惜しい!と思う演奏もありました。それは、あともう一歩の『厳密さ』です。
この言葉だけ聞くと、音楽からかけ離れたものと捉えられるかもしれませんね。
速度記号や強弱記号を例に挙げますと、それらがどの部分に記されてあるのか?
もっと詳しく言うと、クレッシェンドだと、どこから、あるいは、どの音からクレッシェンドを始めるべきか?デクレッシェンドだと、どの音を境に小さくし始めるのか?ということです。
また、ペダリングに関してですと、どこまでペダルを使ってなければいけないか?(どこまで踏み換えをしてはならないのか?)などなどです。
メロディーラインや音符の並びに関わらず、まずは楽譜の指示通りにやってみて音にしてみてください!
そうすることによって、自分の思い描く表現と作曲者の思い描く表現の違いに気付き、新たな発見につながると思います。これ、ほんの些細なことなんですが、表現の上ではかなり大きな違いが生まれます!是非そういったことも楽しみながら練習してみてください!
またみなさまの輝ける演奏が聴けるのを楽しみにしております。
本日は誠におめでとうございました。
