top of page
8/22 岡田 将先生の審査総評

第3日目

参加者の熱演と御父兄のみなさまの温かい応援で会場が熱気に包まれ、大盛況のうちに本選会最終日を終えることができました。日々ご指導くださっている先生方、スタッフの方々と関係者の方々を含め多くの方々に改めて心より厚く御礼を申し上げます。

 

午前中は、小学校A1の部に始まりました。
演奏が始まり、第一音目が鳴り響いた瞬間から、会場は星屑が散りばめられたような輝きと幸福感に満たされました。数々の名演からは純粋に音楽を楽しむ姿が見受けられ、自然体であり芸術的、その小さな身体から次々と溢れ出るように描き出されていく色とりどりの世界に無限の可能性を感じました。全ての素晴らしい演奏に、会場は終始割れんばかりの拍手で満たされました。演奏が終わってピアノの椅子から降りたあとの可愛らしい笑みも印象的でした。

 

続いて幼児の部。

こちらの部門でも驚きと感動を持って聴かせていただきました。人は歳を重ねるにつれて知っていることが増える一方、新しい視点で物事を捉えることが少なくなってくるように思います。まだ産まれて間もない方々が描き出す今まで見えてこなかった新しい世界がとても新鮮で、へぇ!なるほど!といちいち驚いてました。
御父兄の方々と日々ご指導される先生方のおかげでもありますね!
その素晴らしい才能がさらに開花することを願っています。

 

お昼を挟んで午後は小学校Cの部。

年齢も演奏作品の難易度もグッと上がって会場にも張り詰められる緊張感を感じました。
奏者にとっていささか難易度が高いのかな?という選曲が少なくありませんでした。中にはプロの演奏家にとっても難曲とされるものを驚くべき完成度を持って披露くださった方もいました。
「高い目標を打ち立てなければ、小さなステップも上がれない」とロベルト・シューマンの言葉はもっともですが、コンクールや本番で演奏するとなると、作品の難易度よりも作品の完成度の高さが大事になってくるのではないかと思います。音楽は正直ですから、奏者の自信や不安というのは全て音になって聴き手に伝わってきます。
作品を120パーセントの完成度に磨き上げて確実に演奏することは、満足感と大きな自信にもつながるのではないかと思います。


最後に連弾の部。
こちらも至極のひと時でした。
二人で楽しみを分かち合いながら対話をしつつひとつの作品を紡いでいく。聴いている方はとても楽しいのだが、実は連弾は結構難しいジャンル。息を合わせるだけでなく、ペダルを受け持つセコンドは、全体の響きが良くなるためにペダリングしなければならない、職人のような技も求められる。
1人で演奏する時とは全く違う耳を持たなければならない。
皆さんが、そういったことをクリアして素晴らしい音楽をご披露くださったことは大きな喜びでした。

中には、それぞれの個性を活かしつつ、即興的な会話のやり取りを楽しんでいる、まさに室内楽の醍醐味を見せてくれたデュオもありました。正直、一人でもこんなにうまくい弾けるかな??というくらい本当に素晴らしかった!

今年もあっという間の3日間でしたが、たくさんの素晴らしい才能に出会えたことと素敵な演奏を聴くことができて感謝の気持ちでいっぱいです!また一段と成長した皆さんの演奏を心待ちにしています。

本日は誠におめでとうございました。

bottom of page