8/20岡田 将先生の審査総評

九州・山口ジュニアピアノコンクール本選会最終日

本日も多くの参加者を本選会に迎えることができ、嬉しい限りです。参加者をはじめ御父兄の皆様、足台などの取り付けをお手伝いしてくださる方、調律師さん、アナウンスの方、受付の方、ホールを安全に運営してくださるスタッフさん、裏では、プログラムの作成や賞状の送付、点数の集計をされる方 等々、このコンクールがいかに多くの人の関わりによって成り立っているかを、審査に携わった3日間を通して改めて実感しました。皆様に心より深く感謝申し上げます。


本日は、幼児、小学校A1, 小学校C, そして連弾ABC 各部門の審査が行われました。

全ての部門の全ての演奏において素晴らしい才能と信じられないほどハイレベルな名演に感動し、完成度の高さと表現力の凄さに衝撃を受けました。これも日々の努力の成果と音楽への愛情の深さだと思います。1分、3分、7分と部門により演奏時間は異なりますが、そんな短い時間の中で繰り広げられる様々なドラマを聴いていると、皆さんが自分自身を表現するために自分の理想とする音やフレージングを日々追い求めて音楽作りをしている姿が目に浮かびました。
ギロックの雨の日の噴水の虹色の色彩感や、平吉先生の真夜中の火祭の情熱、湯山さんのバウムクーヘンのなんとも言えない喜びと感動を呼び起こす展開、轟 千尋さんの秋のワルツの感傷的な秋の空気感などなど次々と紡ぎ出される世界観に会場の雰囲気が変わるのを体感しました。ブラームスのラプソディにおいては、変わりゆく音色や揺れ動くテンポ感、そして絶妙な間合いを挟みながら、深い悲しみと心の叫びや揺れ動く気持ちを見事に描いていたのが素晴らしく、深く印象に残りました。
連弾部門でも甲乙つけがたいトップレベルの演奏が繰り広げられました。2人で演奏しているとは思えないほど息遣いやルバートに一体感があり、押し寄せてくる大きな波のような迫力がありました。また即興的な駆け引きを加えてアンサンブルとしての面白さを存分に楽しませてくれたグループもあったことをここに記しておきます。
          
まだまだ不安な状況が続く中、多くの方々が不憫な思いをされていると思います。そんな中であっても皆さんは常に音楽に惜しみない愛情を注ぎ、弛まぬ努力をされてきました。それが舞台への出演という形で実を結びました。その姿勢に心より敬意を表したいと思います。
 この3日間の数々の素晴らしい演奏が貴重な音楽体験のーつとして、皆様の記憶に深く刻まれることを願います。そして、音楽への愛情が世界中の人々に響き渡り、より良い未来のために将来の音楽文化を支える希望の光となっていただくことを大いに期待しています。

本日は誠におめでとうございました。