【​岡田 将先生の審査総評③】

 本選会三日目は、高校生・大学生部門にはじまり小学1・2年生部門と非常にレベルの高い数々の演奏が繰り広げられました。単にレベルが高いだけではなく、個性豊かな演奏がとても多かったのが印象的な一日でした。
 まず、高校生・大学生部門の演奏曲目は演奏者に楽譜の理解力とテクニックと人間的な成熟性も求められるものでしたが、バッハでは一人で演奏していることを忘れるくらい、様々な声部の掛け合いが活き活きと描かれ、フォーレでは、美しいメロディーラインの切ない歌い回しや和音の繊細な色合いの変化、光と陰影など、会場全体がその色合いに包まれて大きな一枚の絵画を見ているようで、大いに驚かされました。
 小学1・2年生部門では、作品の題名から受けた印象や連想したものを各々が素直に感じたままに表現していたことが印象深く、とても面白いと感じました。同じ曲でも全く違うテンポ感やスタッカートの弾き方も様々で、音楽ってこんなに自由で、たくさんの表現方法があるのだなと改めて実感しました。そしてそれらは全て正解なんです!
 中でも特に素晴らしいと感じたのは、たった30秒足らずの曲の中に一つのストーリーを作り上げていた演奏があったことです。自由な発想や感受性と共感性、そしてその人だけが持っている個性をこの先もずっと大切にしていって欲しいと願っております。

 

 本日を持ちまして今年の本選審査会が無事終了しましたことを、全ての関係者の方々に心より御礼、そして感謝申し上げます。

 

 次回も数々の素晴らしい才能に出逢えますことを、心待ちにしております。
本日は誠におめでとうございました。