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8/20 岡田 将先生の審査総評

第1日目

多くの参加者と御父兄のみなさま、日々ご指導されている先生方、それから関係者の方々の多大なるご協力によってコンクールを無事に開催できましたことを祝福し、心より感謝とお喜びを申し上げます。

 

午前中は、小学校B2の部から始まりました。
読譜、フレージングやアーティキュレーション、テンポ感や音色など、隅々まで丁寧さを心掛けた演奏で誠実さを感じました。舞台マナーも良く余裕と熟練の風格を兼ね備えていたほどで、本当に小学生?と疑いたくなるほど芸術家としての完成度の高さに驚きました。

 

続いて大学生の部。
8名の本選出場者、皆それぞれの思いを音に託して最高の演奏をしようという意気込みがひしひしと伝わってきました。プログラムも演奏も個性豊かで、さまざまな世界観を堪能することができました。
ただ一つ残念なのは、詰めの甘さ。
場面が移り変わる箇所や、複雑でテクニカルの面でも音楽的な面でも難しく工夫が必要な箇所の処理がうまく掴めないまま先へ進んでしまう演奏が目立ちました。
時間にすればほんの一瞬の出来事ですが、隅々まで丁寧に仕上げることで、演奏の質の高さや印象は大きく変わるものです。
そういった中、場面の移り変わりが万華鏡のように滑らかに流れていくショパンの舟歌は、本日の審査で深く印象に残る素晴らしい演奏でした。

 

午後は、高校生の部から始まりました。
本日の審査で1番のボリュームを占める部門でしたが、舞台で演奏する強い精神力と集中力、深い音楽性と高い技術を持ち合わせた、国際コンクールほどのハイレベルな演奏の数々に度肝を抜かれました。荒削りでど直球な熱い音で紡がれるドラマに感動しっぱなしでした。今後がほんとうに楽しみです!

最後に、シニア部門です。
年々参加者が増えて、私の中では演奏を楽しみにしている部門の一つになりつつあります。
どなたの演奏も素晴らしく、優しく語りかけてくるような音や音楽には安心感があり、いつの間にか包み込まれるように心が温まる、そんな感じがします。ホールで聴いているはずなのに、音楽との対話を楽しんでいるところに同席させていただいている、そんな不思議な感覚に陥ります。素敵な時間でした。

みなさまの素敵な演奏と、今日という1日に感謝しつつ、、、

本日は誠におめでとうございました。

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